製造業向け補助金などの整理と申請

ものづくりドットコムの熊坂です。

ものづくり助成金の採択結果が6月29日に発表されました。例年の採択率は4割程度で推移してきましたが今回は予算が潤沢だったことと、最大金額が1000万円で割り増しが少なかったことから、採択率55%と比較的緩やかな結果となりました。また近日中に今年度分の募集が始まるようですので、新製品、新技術の開発を予定している企業は、今のうちから準備しておくと良いでしょう。

さて毎回ひとつずつ紹介しているものづくりキーワード、今回はその「補助金」を取り上げてみます。

製造業が対象となる補助金

製造業は設備が必要であるため、情報産業に比べると参入障壁が高いと言えます。言葉を代えると、競争力を維持するためには一定の設備投資を継続する必要があります。平時の生産活動の中で投資資金を積み上げるのが本来ではありますが、場合によっては内部留保以上の投資が必要になる場合があります。

そんな時に補助金はありがたいものです。ものづくり補助金以外にも製造業が対象となる補助金は複数あり、所轄省庁がそれぞれ独自に実施するため、全貌を把握するのが容易ではありません。私が知る限り製造業が対象となりそうなものを表1にまとめてみました。

表1.補助金一覧

ものづくり補助金の特徴と活用

補助金は大企業向け、中小向け、研究寄り、現場寄り、採択率の高低や、応募の条件など様々ですから、自社の状況に照らし合わせて、詳細を調べた上で、応募に臨む必要があります。

表1の各種補助金の中で、ものづくり補助金には次のような特徴があります。

1.設備投資に適度な補助金額1,000万円

中小製造業が購入する設備は数百万円から2~3,000万円のものが多いようです。3分の2補助で1000万円の補助は、多くのプロジェクトに使いやすいでしょう。,

2.予算総額1,000億円、採択率約50%

約10,000社が採択されるということですから、補助金額と併せて考えると手間をかける意義があると考えられます。

3.単年度実施

年度内に設備を検収する必要がありますが、このところの生産設備、部品のひっ迫で納期が間に合わないことが懸念され、その場合は補助金が支払われないと言われています。

4.実施時の修正が煩わしい

不正を防ぐために仕方がないのですが、採択時に計画した設備を変更するのは大分手間取るようです。綿密に計画しましょう。

補助金申請書作成の留意点

折角申請するなら一発で採択されたいものです。条件さえ整えば必ずもらえる厚労省管轄の助成金と違い、各種補助金は申請者全てが採択されるわけではなく、予算によって採択数は決まっています。一方で申請する全社が採択されたいと思っており、どこかは不採用になりますから、申請全体の上位半分ほどに入る必要があり、そのためにはひとえに申請書に何をどう書くかにかかってきます。留意点をいくつか挙げてみます。

1.提出書類の完備

書類が1点でも不足すると審査してもらえません。書類不備という連絡すらない場合がほとんどです。くれぐれも全書類が揃っていることを確認して提出しましょう。

2.要件への適合

補助金は政府の方針を実現する為に実行されます。ということはその方針実現に役立つ申請が採択されると考えられます。たとえば先月採択が発表されたものづくり補助金の場合は「生産性向上に資する設備投資などを支援する」とあり、「3~5年で付加価値額年率3%および経常利益年率1%の向上を達成できる計画」であることが求められていますから、単なる設備更新ではなく、これらの実現が十分に期待できる内容にする必要があります。

3.加点への考慮

申請要綱にはこうすればポイントが加算されますよ、という項目が明示されています。前回のものづくり補助金でいえば以下の5点です。

  1. 先端設備等導入計画の認定企業
  2. 経営革新計画などの承認取得企業
  3. 総賃金の1%賃上げ等に取り組む企業
  4. 小規模企業
  5. 九州北部豪雨の被災企業

4,5は努力のしようがありませんが、他の3件はやればできる内容です。2は申請中でも加点対象ですから、補助金申請と同時に申請しましょう。

4.必要かつ十分な情報量

審査員は1件当たり15分程度で点数を決めるといわれます。要件に合っていることを短時間に判断してもらうためには、その分野の素人である審査員が容易に分かる文章で、十分な情報を提供する必要があります。かといってページ数が多すぎては読み切れません。適度な内容と分量に心がける必要があります。

初回は事業計画やら書類の整備が大変ですが、不採用になった場合の再挑戦や、別の制度に応募する時は初回の書類が利用できるため、何度もやっていると楽になってきます。補助金如何に寄らず、事業計画は健全な経営活動に有効なので、こういった外力を利用して設計するのも良いかもしれません。

どうでしょう、参考になりましたか?ものづくりドットコムでは、秋元英郎さんが樹脂成形分野を中心に補助金申請支援がお得意です。不明の点や相談はQ&Aコーナーや問い合わせフォームで質問してください。

関連記事一覧