ものづくり資格あれこれ

ものづくりドットコムの熊坂です。

昨年から次第に充実してきたものづくりドットコムのセミナー案内が、15社目との提携を開始し、いよいよ掲載件数が1,000件を超えるようになってきました。

https://seminars.monodukuri.com/

技術、生産系であればほとんどの分野を網羅していますので、知りたいことがある時は是非このページで検索してください。

さらに現在これらセミナーのネット配信プロジェクトを検討中で、運用試験の一環で私の大学講義を社会人向けにアレンジし、「生産工学概論」として配信することとしました。受講対象は、従業員100人程度の製造業経営者、後継者、工場長が最適ながら、製造業関係者であればそれぞれ気づきが得られると思いますので、是非申込んでください。

https://www.monodukuri.com/seminars/detail/4777

さて毎回ひとつずつ紹介しているものづくりキーワード、今回は「資格」を取り上げます。

製造業関連の資格

製造業は裾野が広いために、一口に関連資格と言っても、民間資格、国家資格それぞれ分野によって膨大な種類があります。「~士」という資格名称を使えるものもあれば、「~検定合格」というのも資格の一種として扱われます。私が今回ざっと調べた資格の一覧を下表1に示しますが、これがすべてでは全くありません。

表1.製造業に関連する資格/検定リスト

どれが良いとか悪いとかの話ではなく、必要なものは取らなくてはいけません。表1の「安全」で分類したものがそれにあたり、作業をする場合に必要あるいは職場内の誰かが資格を持っていなくてはなりません。弁理士もいわゆる業務独占資格といわれるもので、第三者の特許申請代行の際は必須です。

ところが同じ知財資格でも、社内の特許申請事務を進めるだけなら弁理士資格は不要です。知的財産管理技能士という資格はその業務能力を判定するものですが、検定に合格しなくても担当して問題ありません。品質管理検定も同様で、1,2級を持っているとちょっと自慢できますが、級を所持していないとできない品質管理業務はありません。

私は資格専門家ではないため、すべてを解説できません。表1で自分が持っている資格に*印をつけ、以下の二つだけ紹介します。

技術士

技術士はエンジニアが取得する最高峰の国家資格で、機械、電気電子などの20部門と、いずれかの合格者だけが受験できる総合技術監理部門のあわせて21部門からなります。取得までの手順は図1のようになり、2次試験受験のためには一定期間の実務経験を要求されるため、30歳を超えての受験が多く、口頭試験で業務実績を試されることもあり、今年3月に発表された合格者の平均年齢は42.9歳と他の資格と比較すると高めです。

図1.技術士資格取得の道のり

私は50歳で1次試験、51歳で経営工学部門、52歳で総監を取りました。これくらいの年代で、退職に備えて取得する人が結構います。日本技術士会に登録している技術士だけで1万8千人ほどいるのですが、その半数以上は公共事業入札に必要となる建設関連部門であり、他の部門は独占業務がないためか製造業従事者でも知らない人が多いくらいで、一般人には全くなじみがありません。

ビジネスキャリア検定

ビジネスキャリア検定は中央職業能力開発協会が平成5年から開始したもので、同協会で技能者を対象に実施する技能検定に対して、人事、経理、営業などの事務系を対象としています。もちろん製造企業にもこれらの事務はありますが、生産管理が一番製造業っぽい分野です。各分野で3級から1級があり、そのレベルは図2のようにイメージされているため、経験に応じて上の級を受験して行けば良いですね。

図2.ビジネスキャリア検定の等級イメージ

技術士にもまして認知度の低い資格ですが、力試しとしてもっと注目されて良いでしょう。私は企業時代に部門の自己研鑽目的で部下たちに社費で受験させ、自分は自費で受けました。そういえば技術士試験も学習費用、受験費用一切会社から出ませんでしたねえ。自前で払った方が身に付くような気がします。

資格取得の意義とメリット

業務独占ではない資格を取得する意義は、次のようなものが挙げられます。

  1. 受験勉強することによって専門事項に対する知識が深まり、現在や将来の業務に役立つ。
  2. 客観的な能力の証拠となり、社内外からの評価を高める。
  3. それによって社内の異動や転職の際に有利となる。
  4. 勉強する動機となり、また取得後も学習の習慣が継続する。
  5. 同じ資格を持つ者同士のコミュニティに加わることができる。

私が技術士を取った時もこれらすべてのメリットを感じた中で、特に(4)と(5)は本当に良かったと思います。人生100年、そして変化のスピードがますます大きくなる時代に向かって、資格取得を契機として常に新たな知識とスキルを習得していくことを勧めます。

どうでしょう、参考になりましたか?ものづくりドットコムでは、森谷仁さんが資格試験や技術文章の指導がお得意です。不明の点や相談はQ&Aコーナーや問い合わせフォームで質問してください。

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