【製造業】未経験者を採用する際の心構え
2017年の求人倍率は1.59と依然高い状態が続いています。 厚生労働者が出している求人倍率の結果では、平成21年から右肩上がりで伸び続け、平成30年では1.59と非常に高い状況になっています。 具体的には、求人数は275万人に対して、求職者はわずか164万であり100万人の不足が発生している状況です。
このような採用困難な状況の中では、経験者という限られた人材の採用だけではなく、未経験者の採用も考慮していかなければなりません。中小企業の観点からすると、即戦力ではない未経験者を採用する余裕はないかもしれません。
しかし、教育コストさえクリアできれば、実は未経験者でも採用メリットは多くあります。今回は未経験者を採用するためのポイントについてまとめました。
※厚生労働省のホームページより引用
この記事の目次
未経験者を採用するメリット
未経験者を狙う最大のメリットは「採用の市場を広げられる」ことです。さらに、業界や職種を知らないからこそ、自社のやり方や社風に馴染みやすいという側面もあります。
経験者にターゲットを絞ってしまっては、採用の市場が狭すぎてそもそも採用したい人材に出会うことが難しくなってしまいます。また、経験者とは言ってもそのレベルの幅は大きく、レベルの高い人材は大手企業など労働条件が良いところに持っていかれます。レベルの低い経験者に注力するよりは、未経験でも会社に合う人を採用したほうが会社のためになるかと思います。
もちろん未経験と言っても様々な人材がいるため、その見極めが大切になります。
未経験者の見極め方
未経験者の採用といっても、実際に欲しい人材は「即戦力ではなくても、早期に戦力になってくれる」方かと思います。
まずは未経験レベルを3つのパターンに分類してみます。今回はわかりやすくするため、業界と職種で分けています。
- A.業界未経験者 :職種経験はあるけれど、業界経験はない
- B.職種未経験 :業界経験はあるけれど、職種経験はない
- C.全くの未経験者:職種経験も業界経験もない
Aタイプは限りなく経験者に近い未経験者で、入社後即戦力になる可能性があるため、どこの企業も採用ターゲットとして考えていると思います。問題はBとCタイプです。この2つのタイプはきちんと見極めた上で採用しなければなりません。
見極める際に重要視するポイントは、
- 学習意欲があるかどうか
- 素直かどうか
- 会社に合うかどうか
になります。学習意欲が高くなければ今後の成長は見込めませんし、素直でなければ成長速度が遅くなります。また、会社に合わなければすぐに辞めてします可能性が高まります。
素直さ、会社に合うかどうかは一緒に働いてみないと分かりませんが、学習意欲は過去の経験からある程度見極めることができます。
- 前職で何を達成したのか、そのプロセスは?
- 前職でどのような評価を得てきたか、その理由は?
- 仕事以外でどのようなことをしてきたか?(スポーツ、趣味など)
などの質問を面接のときにすることで、求職者の「学習」に対する意欲を知ることができます。中途採用の場合は、将来のキャリアプランよりも、過去の実績が大切です。 学習意欲の高い人であれば、前職でも必ず何かを残しているはずです。口先だけではなく、本質を見抜くための質問を心がけてください。
未経験者を採用するときの心構え
未経験者を採用するためには、それなりの覚悟が必要です。中途採用だからといって、即戦力を期待し、教育する時間をかけなければ、会社に合わないと思われ退職していまいます。特に、はじめのうちは成果も上がらず、悩むことも多くなります。
相談したくても、先輩社員が忙しく相談にも乗ってもらえない状況が1ヶ月以上も続くと、転職を考え始めます。 会社としては負担になるかもしれませんが、未経験者を受け入れられる教育体制を整えることは大切です。せっかく採用しても、会社の教育体制が整っていないがために、退職されてしまっては元も子もありません。 未経験を採用する際にはそれなりの覚悟を持って採用活動を行ってください。
まとめ
採用は年々難しくなってきています。経験者に限らず、未経験でも受け入れていかなければ企業として存続できない状況になりつつあります。 その為には、社内の教育制度をきちんと整え、求職者が安心して働ける環境作りが大切です。