CCPMで遅れないプロジェクト管理を

ものづくりドットコムの熊坂です。ものづくりドットコムは9月27日に、製造業向けインターネットサービスを提供するアペルザさんとの業務提携を発表しました。

https://www.monodukuri.com/information/detail/129

ものづくりドットコムIDとAperza IDを統合し、いずれかで会員登録手続きをすれば、他方のサイトにもログインができ、両社のサービスが横断的に利用可能となるものです。製造業の関連分野は非常に広範で、一社がすべてをカバーすることは不可能であり、すでにものづくり経革広場さんやM AKES LINKさんなどと連携していましたが、これを機会にさらに多くの組織と連携して製造業のイノベーションを支援していきたいと思っています。

さてものづくり革新のキーワードを毎回ひとつずつ紹介していますが、今回は「CCPM(Critical Chain Project Management)」についてお話しします。

プロジェクトは必ず遅れる?

プロジェクトの定義と標準的な管理法については昨年12月の投稿で解説しました。皆さんもひとつふたつプロジェクトを経験したことがあるかと思います。しかし中々計画通りに進展しないものですよね。実は計画が遅れる原因には典型的なパターンがあります。以下に3つ例を挙げてみます。

(A)学生症候群

学生の時に期末テストの勉強はいつ始めましたか?日程とテスト範囲は1カ月前には決まっています。やろうやろうと思いながら、前日になってから一夜漬けという経験があるかと思います。私はこの原稿も締め切り3時間前に書き始めています(^^;) 何回か経験して「だいたい3時間あれば書ける」と分かってしまうと、なかなか余裕を持って開始することは難しいのです。ふつうは何とか間に合うのですが、たまに失敗して遅れることになります。ということで、早めに終わることはめったにないわけです。

(B)必要以上の完成度

たまたまポコっと時間があき、学生症候群を逃れて期限より早めにタスクを終了したとします。上司に提出しますか?「早く出してしまうと、簡単な仕事と判断され、次回から期限を短く設定されるかもしれない。低く評価されかねない」と考え、また「どこか不完全なところがあるかもしれない」と何度も見返したり、不必要な推敲、校正を重ねたりします。すると締め切りのはるか前に95%完成していても、提出するのは期限ぎりぎりになります。

(C)バッファの重複

プロジェクトの遅れが常態化すると、管理者はどうするでしょう?期限ぎりぎりに遅れが発覚すると手遅れですから、一つのプロジェクトを細かいタスクに分割して、厳密に管理するかもしれません。するとおもしろい現象が起こります。全体で5週間と想定されるプロジェクトを5つのタスクに分割すると、各タスクの責任者は、タスクごとにバッファー(予備日)を加えます。たとえば30%のバッファを加えて、さらに統合した日程にもバッファを30%加えると、全体では1.3×1.3=1.69で、何と69%のバッファになります。

これが実力通り予想された期間で進めば、バッファがいくら大きくても関係ないのですが、一旦バッファを含んだスケジュールが確定されると、前記の(A)学生症候群や(B)必要以上の完成度で時間が浪費され、バッファを食いつぶしてしまうのです。

 

 

CCPM(Critical Chain Project Management)とは

今回紹介するCCPM(Critical Chain Project Management)は、昨年7月に紹介した故ゴールドラット博士のTOC(制約理論)をプロジェクトマネジメントに応用した考えです。

故E.ゴールドラット博士

TOCは「すべてをボトルネック(制約条件)に合わせる」考え方でした。プロジェクトにおけるボトルネックは、それが遅れると全体の日程が遅れるタスクで、これをクリティカルチェーン(決定的な鎖)と呼ぶのです。逆に言えば、これ以外のタスクは多少遅れても全体日程に影響しません。だから手間ひまかけて管理する必要はない、むしろ管理はムダなのです。

プロジェクト全体を大雑把に管理する

具体的な管理方法を見てみましょう。全体が5つのクリティカルなタスクで構成される時に、CCPMでは図1上段のように一つひとつのタスクにはバッファを持たせない代わりに、下段のように全体にプロジェクトバッファを設定します。

図1.CCPMのバッファ管理法

これによって各タスクの担当者は、遅れの原因(A)(B)(C)に陥ることなく当初日程を目指して作業を進めます。もちろん想定外の理由で遅れる確率は高くなりますが、そこはタスク毎のバッファではなく、プロジェクトバッファでカバーします。

プロジェクトリーダーによるタスク毎の細かな管理は不要で、本来の日程に対してプロジェクトバッファをどれだけ消費したかをタスク責任者に報告させるだけです。この時の様子が図2です。バッファ消費が開始時点のゼロから最終期限での100%に対して引いた直線より消費実績が少なければ放置しておいて構わなく、上回った時のみ対処が必要ということになります。中途で上回っても、効果的に対応すれば手遅れにはなりません。しかもクリティカルでないタスクについては、これらの管理すら不要になります。

図2.CCPMのバッファ管理

ゴールドラット博士は、この考えと手順もまた右図の小説「クリティカルチェーン」で解説しました。小説としても面白くできていますので、ぜひ一読してみて下さい。

いかがでしょう? 参考になったら次のプロジェクトで試してみて下さいね。ものづくりドットコムでは、津曲広二さんがCCPMの専門家です。不明の点やご相談はQ&Aや問い合わせフォームで質問してください。おー、ちょうどバッファ―を使い切り、締め切り15分前です。

トレビアン!

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