社内外でのデータ共有の可能性を最大限に活用!
株式会社星製作所は八王子にて板金加工業を営んでいる。
もともと全くの異業種から同社を継いだ星社長は独自のアイディアで脱下請けを目指したメーカー的な動きも積極的に行う、中小製造業の中でも先進的な活動を行っている会社だ。
■某社のクラウドサービスを導入するものの活用できず失敗
クラウドに関しては早い段階で有用性を感じていた星社長は、某外資系企業のクラウドサービスを取り入れた。
しかし、サービスを提供した某社の代理店営業マンの知識が低かったこともあり十分に活用することができていなかった。
この時、クラウド活用の目的や具体的な活用イメージを持って取り組むと共に、専門的な知識を補ってくれるような存在が居ないと素晴らしいサービスであっても十分に活用できないことを痛感した。
その時、情報収集のために弊社主催のクラウドセミナーにご参加頂き、クラウド導入のポイントとGoogle Appsの存在を知ることとなった。
■Google Appsを導入し、一気にクラウド活用が加速
セミナーで存在を知ったGoogle Appsは、操作性が簡易で料金体系も明朗であったことからすぐに導入する方向で動くこととなった。
今まではクラウドメールの利用も十分に行えていなかったが、直観的に分かりやすい操作性が奏功し、メールだけでなく、ストレージやスケジュール管理など、活用の幅はあっという間に広がった。
Google Appsを利用すればするほど味が出てくることが分かった。操作性の分かりやすさだけでなく、様々なサービスとの連携により業務効率が飛躍的に向上するのではないかと思い始めた。
特に「情報連携」がカギとなると考えた星社長と鈴木工場長は、これを社内だけでなく社外との情報共有にも活用していくことを目標に、様々な取組を始めることとなった。
■まずは社内での情報共有の仕組みを作り上げる
工場は八王子の1ヶ所だけであるが、敷地が広く社内での情報共有は必須であった。
まずは作業場、執務室、など各所に置いてあるどの端末からでも図面が確認できるよう、Googleドライブを導入し社内LANを整備するのと同じ状況を創り上げた。
次に、端末の設置場所に作業が依存されないようにタブレットを導入し、社内で無線LANのつながるどこからでも(移動中でも)すべてのファイルを共有できるようにした。
また、GoogleスプレッドシートとPicasaの連携によりパート社員が納品物を梱包する際にその内容をタブレットにて確認しながら行えるようしたりと活用の幅はどんどん広がっている。
■次に社外(取引先)との情報共有の仕組み作り
社内での情報共有が促進されていく中、星社長は社外との情報共有に使えれば便利ではないかと考えるようになった。
取引の多い既存顧客との図面のやり取りは非常に多く、バージョン管理が出来ていないことからトラブルになることも過去にあった。
Googleドライブ上に顧客別のフォルダを作り、それぞれのフォルダを各顧客と共有することができれば、顧客側からも容易にバージョンの確認ができるなど、トラブルの防止ができるのではないかと考えた。
また取引先と設計データを常に共有することで計画的に生産活動ができるというメリットも生まれた。
今まではCDなどに大量の設計データを焼いて送られてきたため、作業量に波があり読めないことが多かったが、データをまめに共有することで解消した。
最初は取引先の協力が得られるかが不安だったが、Googleドライブのみを単体で利用するのであればある程度は無料でできるため、取引先の説得もスムーズにいった。
ゆくゆくは図面だけでなく見積書などもその中で共有していきたいと考えている。
■今後は案件管理のクラウドへの移行を目論む
今後の展望として、案件管理をクラウド上で管理することができれば更なる業務効率向上につながると考えているという。
案件の進捗をカレンダーなどとも連携させ情報共有したり、外出先から案件の状況を確認することができれば外出先でほとんどの仕事ができるようになる、と星社長は語る。
昨年からWebマーケティングにより下請けからメーカー的な動きへと大きな一歩を歩み出した同社。次はクラウドの活用によりIT先進企業として更なる飛躍を遂げるのはそう遠くない未来かも知れない。