製造業ホームページを制作依頼(外注)する際の業者選定における3つのポイント

【執筆者紹介】徳山 正康
この記事の執筆者
徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から一部上場のメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 フェロー、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家

【寄稿実績】
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テクノポートの徳山です。

私は現在の会社(テクノポート株式会社)を起して7年になりますが、以前の会社に勤めていた頃も含めると今までに数千社を超える製造業のホームページ制作に携わって参りました。今までの経験から、製造業者がホームページを外注依頼する際に気を付けるポイント(製造業ならではの)を3つにまとめてご紹介いたします。

なお、ホームページを制作する目的はあくまでも「ホームページを制作することにより新規顧客を獲得し事業を拡大させる」という場合を前提としますので、そちらをご了承いただいた上でご一読いただければと幸いです。

1、何と言っても経験値が最も大事

Webマーケティングの業界は目まぐるしくルールが変わります。特にSEOのトレンドを追うのは大変で、ユーザの検索満足度を高めるために頻繁にGoogleがアルゴリズム(検索順位を決めるルールのようなもの)の変更を行う上に、アルゴリズムの中身を公開することはありません。そうなってくるとホームページ制作会社は、どうやったら検索順位が上がるのか、という疑問に対し実験を繰り返しながら正解を見つけていくしかありません。誰も答えを持ち合わせないので、経験値が全てとなります。

製造業の場合では、製造業ホームページの制作経験がない業者に依頼してしまうと、専門用語への免疫がないため打合せにどうしても時間がかかってしまいます。いちいち用語の解説を行っていては本質的な話を行う前に疲れてしまいます。弊社のお客様でも「前の制作業者は自社の事業内容を理解させるのに何時間もかかった」と愚痴る方もいらっしゃいました(笑)。また、1社や2社の制作経験では当てになりません。例えば、一言で”金型”と言っても”金属プレス用の金型”と”樹脂成形用の金型”があり、その事業特性は異なります。細かな業種分類も含め実績のある会社が望ましいでしょう。

業者の見極め方

過去の実績を可能な限り多く紹介してもらうのが良いと思います。その際にどのような実績をチョイスするのかもポイントになりますので、何故その実績を紹介しようと思ったのか、具体的にどのような支援を行ったのか、なども含めてヒアリングすると良いでしょう。

2、マーケティング戦略を立てられる会社を選ぶ

弊社のお客様にホームページ制作のきっかけを伺うと「長年下請けの仕事をしてきたが、年々仕事量が減ってきたので新規顧客の開拓をしなければならなくなったから」と仰る方がとても多いです。初めて本格的な新規営業活動を行うので、まずはホームページを活用してみようと考えるケースです。

新規営業の経験がある会社であれば、マーケティング戦略がある会社が多いと思います。顧客ターゲットや市場でのポジショニングなど、明文化されたものがあるのではないでしょうか。そのような会社は、その戦略に沿ったホームページを制作することになりますので、その戦略をしっかりと実現できる制作会社を選定すれば良いでしょう。ところが、初めて新規営業を行う会社の多くがマーケティング戦略の立案から行わなければならなりません。そのため、マーケティングのセンスがない会社に制作を依頼してしまうと、会社パンフレットの代わりにしかならないようなホームページが出来上がってしまう可能性があります。最近では中小製造業でもホームページぐらい所有していて当たり前の時代です。何となく作ったホームページで仕事が獲得できるほど甘い時代ではありません。

業者の見極め方

サービス内容の中に企画に関する項目がどれくらい盛り込まれているかを見ると良いと思います。中には企画無し、もしくは簡易的なサイト構成のみ考えただけで制作に入ろうとする会社もいます。しっかり企画を行う会社であれば「企画書」を作成し成果物として納品している会社が多いので、今までに手掛けた会社の企画書を見せてもらうと良いでしょう。弊社でもお客様の許可をいただいた上で、サンプルとしてお見せするようにしています。

3、成果が出るまでしっかり付き合ってくれる会社を選ぶ

一言でホームページ制作業者と言っても、様々な特徴があります。デザインに強い会社、とにかく安さをウリにしている会社、システム開発に強い会社、などなど。。

当たり前ですが、ホームページ会社も仕事が欲しいため、どの会社も「反響が出るホームページを責任持って作ります」と言うはずです。そこで、見極めを行うために運営支援を行うサービスを用意しているかどうかを見てみましょう。

これは個人的な意見ですが、更新を自社内で行える管理システムを提供している会社に頼むのは避けた方が良いと思います。自社内で管理できる、というのは一見聞こえは良いですよね。弊社でも昔同様のシステムを提供していたことがありますが、使いこなしている会社はほぼいませんでした(100社中2~3社といったところでしょうか…)。本業が忙しい中で更新活動を行うのは非常に大変なことです。コストが多少かかったとしても、定期的にサポートしてくれたり、忘れた頃にタイミングよく連絡をくれるなど、泥臭いサポートをしてくれる会社を選定された方が良いと思います。

業者の見極め方

サポート内容にどのような項目が含まれているのかを見ると良いと思います。待っていても何もしてくれないような会社とは付き合うべきではないでしょう。あとはサポートを行っている会社に対し具体的にどのような支援を行い、どのような変化があったかを具体的に語れるかどうかもポイントとなります。しかし、運営支援に関するクオリティは実際にサービスを受けてみないと分からない部分も多く、なかなか見極めにくいかも知れません。

 

以上、かなり個人的な見解も入ってしまいましたが、製造業ホームページを制作依頼(外注)する際のポイントについて書かせていただきました。少しでも皆様の参考になれば幸いです。

この記事の執筆者
徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から一部上場のメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 フェロー、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家

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