海外販路開拓で「文化の違い」を乗り越える方法
このブログは「日本で生産(つく)って海外に販売(うる)!」を目指して、実践と情報を発信することで、国内で「ものづくり」を続ける中小製造業の海外販路開拓を応援します!
こんにちは、株式会社日本クロス圧延の岡です。
弊社は小規模な金属材料のメーカーです。国内での流通量が減少する中、海外に材料を販売しようと考え、自社製品を「R&D Materials」というブランディングをし、そして実際に海外にプロモーションしながら経験したノウハウやダメだったことなどを発信していきます。
特に本章では「加工技術」を売り込むには?というテーマでコラムを書かせていただいています。
今回も相手を説得のための三要素、エトス、パトス、ロゴスについて考えていきましょう。
前回は、他人を説得するには、エトス(話す側の人格的信頼性)パトス(相手の感情に働きかける)ロゴス(論理的な表現や証拠)の3要素を無理やり詰め込んだPR文章を考えてみましたが、今回もそのつづきです。
この記事の目次
コモンプレイスと男と女のこと
コモンプレイス(共通の基盤)について少し説明します。
初対面の異性と二人っきりで、お話しする場面に遭遇した場合に、あなたはどうしますか?「今日はいい天気ですねー」でもいいけど話が続かないかもね。この場合は美味しいお店などの話題がベストです。なぜか趣味の話をするとフラレル傾向が高い…
それはコモンプレイス(共通の基盤)が影響するからです。
美味しい食べ物の話は、相手も興味を持っている可能性が高い(共通の認識)ので、仲間意識がはたらくので、警戒が下がり急激に仲良くなれるので「じゃあ今度一緒にいこうよ」と実にスムーズに物事が進展します!
趣味の話の場合は偶然相手も同じ趣味なら盛り上がりますが、実際は共通の話題でない可能性がたかく、目をキラキラさせながらカメラの話を熱く語られても「ふーん」と気のないアイヅチとともに「ごめんね、家の用があってもう帰らなきゃ」とやんわりと拒否される結果になるわけです。
コモンプレイス(共通認識)によってエトス(信頼感)を高めることができるのです。
文化の違いとコモンプレイス
コモンプレイスことはわかっていただけたと思います。海外に製品を売ろうと考えた場合、その国のコモンプレイスというものを考えてPRしなくては成功しません。
スピーチだってアメリカでは日本と違って、ブラックジョーク、下ネタ、政治ネタなどで最初に笑わせてから本題に入らないと聞いてくれない、最初がとても大事なのです。
日本でもスピーチの最初に自虐ネタなどで「クス」っとさせることもありますが、アメリカでは自分の価値を下げるような自虐ネタはNGです。
これが文化の違い、スポーツカーのCMで速いからカツラが飛んじゃう!ようなCMでもOKなのですが、日本でやったら薄毛の人への差別だ!...なんてことになったりね。
コモンプレイスと製品のPRの関連性
最後になんでコモンプレイスをこんなに言うかというと、文化の違いを考えないといけないのです。大雑把ですが日本とアメリカとドイツのコモンプレイスってこんな感じかな?
日本:品質、安心安全、日本製
アメリカ:正義、自由、国民、巨大
ドイツ:確実、堅牢、技術、No.1
スーパー大雑把ですが、これをもとに考えると、アメリカだったらこんな文章が心に響いてしまうはずです。
- このソフトウエアの導入で、自由とお金を手に入れることができる!
- この事業によってアメリカ国民は自国の正義を実現できる!
- このエンジンは世界一巨大なパワーがある!
文章にするのがけっこう難しいなあ(笑)イメージだけ参考にしてくださいね。
とにかく今回のお話はマーケティングする国や地域によって共通認識に差があるということを書きたかったわけです。展示会などでもやっぱり出店場所によって空気が違うと感じることがありますが、これはコモンプレイスが違うからなのではないでしょうか?
さいごに
早いものでこのブログも連載60回を超えました、いつも読んでくれてありがとうございます。今年は「ちょうどいいキカイ」のプロモーションと北米への販路開拓とやることが満載で、少し忙しくなってしまったので、しばらく連載をお休みして二つの事業に全力投球します!
このブログの活動で自分自身勉強することができました。いままで読んでくださり本当にありがとうございます。またなにか新しい発見があったら再開したいと思います。
海外販路開拓で何か質問などありましたら、メールinfo@atuen.comを頂ければアドバイスさせていただきます。
ではまた