海外企業と日本企業の「広告」における最大の違い

このブログは「日本で生産(つく)って海外に販売(うる)!」を目指して、実践と情報を発信することで、国内で「ものづくり」を続ける中小製造業の海外販路開拓を応援します!

こんにちは、株式会社日本クロス圧延の岡です。

弊社は小規模な金属材料のメーカーです。国内での流通量が減少する中、海外に材料を販売しようと考え、自社製品を「R&D Materials」というブランディングをし、そして実際に海外にプロモーションしながら経験したノウハウやダメだったことなどを発信していきます。

特に本章では「加工技術」を売り込むには?というテーマでコラムを書かせていただいています。

いつもブログを読んでいただいてありがとうございます。今回も相手を説得のための三要素、エトス、パトス、ロゴスについて考えていきましょう。

前回は、他人を説得するには、エトス(話す側の人格的信頼性)パトス(相手の感情に働きかける)ロゴス(論理的な表現や証拠)の3要素を無理やり詰め込んだPR文章を考えてみましたが、今回もその続きです。

起承転結なんてアメリカにはありません!

北米企業の展示会や広告を見ると実感するのです。

ニッポンではいまだに「起承転結」を文章の基本だと言う方も多くいますが、起承転結の最大の弱点は結論が最後にあるということです。

現在の情報化社会の荒海の中で、スマホ片手にお昼ご飯を食べている我々にとっては、起承転結なんてまどろっこしいのです(笑)思うことあるでしょ?「だからー結論から言えよ!!」ってね。ニッポン人でもそうなのだから、肉食で野獣のように気の短いアメリカ人が「起承転結」なんてなおさら受け入れるわけないのです。

海外の広告は結論から入るのです。

どんな感じになるか超適当に例文を作ってみました。

 

アイキャッチ:エネルギーコストを月間12,000円削減できます!

エトス:私はGEで20年あまりパワートランジスタを研究してきました。

パトス:この製品は仕事を通じエネルギー問題に直面し、自分のスキルで環境破壊を防止することができれば最高だと考え開発した。

ロゴス:IoTの活用でMITと共同開発した新素子を採用し、エネルギー損失15%カットが証明されました。

これは20kw/8h使用の場合、3kw/8hのエネルギが節約でき、一日当たり600円のコストカット。小さい数字だと思いますが、その積み重ねが財布と環境を守るのです。

 

適当な例文ですが、こんな感じで3要素を入れてみてはどうでしょうか? 海外では必ず「アイキャッチ」をPR文章の最初に入れ、メリットを打ち出すことが常識です。

日本のカタログは難しいのです

よく展示会とかで見かける光景なのですが「IT技術を製造に導入することで生産効率が向上する!」なんての見たことないですか? 展示会のブースにPCを持ち込んで、そのPCにはパラメーターや生産状況を表示する細かい数字がぎっしりで、サイバーな感じでかっこいいですが、まず売れないと思います。

まずアイキャッチが弱いし、サイバーな感じも中小製造業のお父さんには拒否反応が...アイコンを多用したシンプルな画面くらいでちょうどいいのです。

カタログもアイキャッチがないことが多く、難しそうなPCの画面の写真が誇らしげでみんな一緒(笑)

  • 工程管理の最適化で生産効率アップ!
  • 加工条件最適化システム
  • 加工スピードの追求!

とか、なんだか効果があいまいで、カタログを読んで初めて「なるほどー」って感じが多いですが、海外では「私はあなたの工具寿命を1.92倍にすることができる、それはまるで魔法のようだ!」とぶちかまさないと相手にされないよ。

それか萌えキャラに話しかけるだけで、製造状況をやさしく教えてくれる♡くらいのほうが、外国では興味を持ってくれるだろうね、エンターテイメントの国だから(笑)

今週はここまで、次回もよろしくお願いいたします。

さいごに

北米に販路開拓を進めていくことを決定して、数か月がたちましたが、やっぱりアメリカは面白い、いままでやってきた販路開拓の常識がぶっ飛びます、メールのやり取りの文章も、同じ英語なのにアジアは丁寧で分かりやすいのに、本場のアメリカからのメールは雑で理解不能なことが多い、だから聞くとなんでわかんないの?といわれる始末...さすがオンリーワンの国だね(笑)

 

日本の中小製造業の海外販路開拓に少しでもお役に立てればと思いブログを書かせていただきました。何かの参考になれば幸いです。

次回もまたよろしくお願いいたします。

この記事の執筆者
岡 正俊

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