製造業におけるオウンドメディア構築・運営について考える

ものづくり経革広場の徳山です。日頃より様々な製造業のWebマーケティングをお手伝いしていますが、最近は自社技術(製品)をターゲット業界に販売したいというご要望だけでなく、下記のような要望をWebマーケティングで解決できないかというご要望が増えてきました。

  • 技術にニーズがあるけどそれに気付いていない潜在需要(市場)を掘り起こしたい
  • 専門性の高さをアピールし自社のブランドを向上させたい

こういった要望に対して「オウンドメディアの構築」をご提案しています。

オウンドメディアとは

直訳すると「自社で所有するメディア」のことですが、ここで言うオウンドメディアとは、企業が一般的に持つコーポレートサイトとは別に上記要望を達成させるために特設されたホームページのことを言います。みなさんが今見ている「ものづくり経革広場」もオウンドメディアの一つです。

広義ではFacebookページやTwitterなどもオウンドメディアという呼ばれるようですが、特にBtoBの分野ではなかなかビジネスとして効果を出すのが困難なので、特設でホームページを構築することをお勧めしています。

オウンドメディアでは、ユーザの検索意図に沿った役に立つ情報を中心に提供することが鉄則です。自社技術(製品)の売込みは別サイト、もしくはコンテンツの中のごく一部に留めるのが基本的な手法です。提供する情報も第三社的な目線を常に意識することでユーザからの信頼を高めることができます。広告などを使う手法と比べ、結果が出るまでに時間がかかりますので、あくまで中長期的な目線で辛抱強く続けることを念頭に置いて運用していきましょう。

オウンドメディア構築のメリット

技術の用途開発につながり、潜在需要を掘り起こせる

自社の技術情報を様々な切り口から発信することにより、今までターゲットとしていた分野とは違う見込顧客から「こんな用途でこの技術を使えませんか?」という潜在顧客の声を拾い上げることができます。アクセスキーワードの分析を行えば、思いもよらぬ分野の潜在的なニーズが垣間見えたりします。そのような情報は、現場の営業マンが営業活動を行う上で役立つ情報となります。

また、潜在顧客の声は新規顧客の獲得だけでなく、新たな研究開発のアイディアとなり、研究開発活動の活性化にも繋がります。研究開発の現場とマーケットを繋げるための一手段としての活用もできるでしょう。

自社のブランド力を高めることができる

技術者が検索エンジンで様々な情報を探し求める中で、貴社が運営しているホームページの情報が多く出てきたら技術者はどう感じるでしょうか?貴社のことをこの技術分野のスペシャリストなんだろう、という印象を与えることができるのではないでしょうか。そのような印象を与えることができれば、他社と比較検討される可能性も下がり、優位にビジネスを進めることができます。

このように、オウンドメディアを運営し技術者へ有益な情報を発信し続けることは自社のブランド力を高めることに繋がってきます。また、既存顧客にも情報提供していくことで、同様に良い印象を与え、ロイヤリティを高められると考えられています。

社内のノウハウ蓄積につながる

オウンドメディアで発信する記事を社外ライターに執筆させる企業も多いですが、私はできるだけ内製化することを勧めています。理由は「社外に依頼すると一般論となってしまい、オリジナリティが損なわれる」ことと、「社内のメンバーで執筆することがノウハウの蓄積につながる」からです。

社内で記事を執筆する場合、担当制で技術者が順番に記事を書いていくことになると思いますが、この活動が自社内で共有できていなかったノウハウの蓄積に繋がります。また、記事を執筆するためには自身の技術分野のことを、より網羅的に知らなくてはならないので、技術者の自己研鑽にも繋がります。もちろん社外にも情報が発信されてしまう訳ですからノウハウ流出に繋がらないように注意は必要です。

オウンドメディア運営の注意点

WELQの問題とGoogleの対応

先日、DeNAが運営する医療情報サイト「WELQ」が大きな問題となりました。この問題に対応するためにGoogleは2017年2月3日、日本語版の検索アルゴリズムを変更したと発表しました。品質の評価方法に改善を加えた=日本語検索で表示される低品質なサイトへの対策を行ったということです。

具体的な品質評価基準は公開されていませんが、これまでのように明らかに他サイトのコピペにより作られた記事の評価を下げるだけでなく、何らかの方法で記事の品質を評価するためのアルゴリズムへ組み込んだのだと思われます。

どのような体制で記事を書けば良いか

上記のような問題が大きく取り扱われつつも、検索アルゴリズムにも限界があると思います。特に技術系のように専門性が高い分野に関してロボットが品質を評価するというのはまだまだ難しいと考えられます。ですので、現時点ではなるべく社内で記事を内製化することで最低限のリスク(コピペで記事を作られる、など)を回避する程度で良いと思います。また、誰が書いているかという点を評価する可能性は高いので、社外に執筆依頼する際にはその分野で権威の高い方にお願いできると良いと思います。

〜記事執筆における注意点まとめ〜

  • 品質を維持する為になるべく記事は内製化する
  • 投稿するまでに社内で品質をチェックする体制を構築する
  • 外部に頼む場合は信頼性の高い方にお願いする

オウンドメディア事例

最後に国内製造業者が運営しているオウンドメディアをいくつかご紹介します。

キーエンス(ココが知りたい!形状測定)

形状や表面粗さなど、測定に関する様々な情報を集めた情報発信サイトです。導入事例、技術資料、カタログをダウンロードさせることによりリードの獲得を行っています。

村田製作所

自社の製品紹介だけでなく、アプリケーション事例や技術用語の解説など、豊富なコンテンツを掲載しています。製品と技術の周知を行い自社のブランド力向上を図るとともに、カタログダウンロードによるリードの獲得を目的としていると思われます。

ローム(Tech Web)

電源設計に関する技術情報の周知を技術者向けに行っています。豊富な技術ダウンロード資料を掲載するとともに、定期セミナーへの参加者を募っています。

以上、いかがでしたでしょうか。オウンドメディア構築・運営のお手伝いに関するご相談があればお気軽にお声掛け下さい。

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