世界の製造業「ベトナムの今」

こんにちは。ものづくり経革広場の橋本です。

世界のものづくりシリーズ第一弾。

ポスト世界の工場であるベトナム。数年前に盛り上がりを見せましたが、現在はどうなっているのでしょうか。ベトナムの最新事情を調べてみました。

振り返り:世界の工場は中国からベトナムへ

世界の工場として君臨していた中国の時代が終焉を迎えたという見方がなされることが多くなってきました。豊富な労働力と安価な人件費を活かした大量生産のモデルから、新たに高級品の生産、部品供給国というモデルに変化しつつあります。実際のところ、中国の一部のメーカーは著しい発展を遂げていますが、中国で生産しているハイテク製品の大部分は外資系メーカーの製品であり、品質に関しては日本企業にはまだまだ及ばないのが現状です。そして、人件費の高騰は事実であり大量生産をする世界の工場としての中国は消えつつあります。

そういった背景により、新たな世界の工場としてベトナムが名乗りをあげました。

ベトナムの強み

ベトナムが世界の工場となり得る理由は労働力にあります。なんと、1人当たり平均賃金は中国の半分にも満たないのです。中国での人件費が高騰した今、労働集約型の産業を中心に生産拠点をベトナムに移す動きが出てきています。

また、ベトナムの労働力は人件費の安さだけではなく、識字率の高さや勤勉さ、忍耐力、器用さといった人材の質の面でも高く評価されています。

魅力的な労働力が豊富にあることから、アメリカのインテルや韓国のサムスン電子といったグローバル企業がベトナムへ進出しています。韓国のLGは同社の工場の中で世界最大規模となる工場をベトナムで建設しました。さらに2028年まで段階的に生産設備を拡充させていく模様です。関連会社のLGディスプレーはベトナムのハイフォンにモジュール組立工場を建設中であり、2017年下半期にも稼働予定となっています。

上記のように、外資系のエレクトロニクス企業が進出してきたためエレクトロニクス業界が急伸しており、電子部品(特に電話機)の輸出が急激に伸びています。

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(出所:JETRO)

部品産業の不足

一方で、ベトナムでは部品産業が弱いです。大企業が人件費の安いベトナムに製品組み立て工場を作ったとしても、部品を国内調達できずに輸入するとなると、コストメリットがなくなってしまいます。国内調達率を向上させるためには部品加工業の進出が不可欠となります。しかし、まだまだインフラが整備されていないためにインフラの整ったタイへ進出する企業が多いのが現状です。

ただ、エレクトロニクス関連品の輸出が増えたことによる経常収支の黒字化もあり、インフラ整備のための投資は進むと考えられます。実際に、三井住友建設はベトナムで高架高速道路を建設中であり、CMでも話題になりましたが大成建設はノイバイ国際空港第2旅客ターミナルビルを建設しました。

インフラが整備されることにより大型の組立工場だけではなく、部品加工業者も今後ベトナムへの進出が増えていくため、部品産業の不足は次第に解消されていくでしょう。

ベトナムのネット事情

ベトナムは「100万人のエンジニアの創出」を国策として掲げています。現在、ベトナム全体でのネット普及率は51.5%ほどですが、20代独身の若者の85%はスマートフォンを利用しており、Facebook等のソーシャルメディアも利用しています。

利用している検索エンジンに関して、ベトナムではネット利用者の90%以上がGoogleを使用しています。そのため、ベトナムへWebマーケティングで進出するためにはGoogleのSEO対策をすればいいでしょう。また、オンライン広告市場も小さいため、検索連動型広告での広告単価も低くなっています。

今はまだ検索需要が少ないとしても、今後急激に伸びてくるため、ベトナムへの事業展開にはWebマーケティングも必須になってくると考えられます。

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(出所:Q&Me)

TPP批准

ベトナムが今後世界の工場となるという予測の前提に、TPPの批准も含まれていました。

世界銀行が発表したTPPの経済効果を分析した報告書では、ベトナムは大きな恩恵を受けるという見解がされました。繊維・衣料産業のアメリカ参入が有利になるため、参加国で最大の成長率となる見通しです。また、参加しないタイやインドネシアなど東南アジア地域の競争相手国より輸出条件が有利になります。

しかし、アメリカ大統領選により様子が変わってきました。

2016年11月17日、グエン・スアン・フック首相はTPP批准承認のための手続きを事実上中断する発言をしました。TPP否定派のトランプ氏の当選を受け、TPP批准承認ができる環境ではないという理由からです。

TPP批准による圧倒的な成長が見込まれなくても、中国に代わる世界の工場となれるのでしょうか。

最後に

如何でしたでしょうか。

これから世界の工場となる可能性が高いベトナム。まだまだ発展途上ではありますが、成長し続けています。今後のベトナムの動向から目が離せません。

次回は日本企業のアジア拠点になっているタイについてレポートします。

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