製造業のコンテンツマーケティング成功事例から運用戦略を考える

テクノポートの徳山です。自社のWebサイトで企業側の技術・製品の情報を一方的にPRするのではなく、ユーザに対し役立つ情報を提供することで、アクセスを獲得するとともにユーザの支持を得る手法として「コンテンツマーケティング」が注目されています。今回は製造業者がコンテンツマーケティングを成功させるための手法を、いくつかの成功事例を参考に考えていきたいと思います。

コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングとは、企業側の売り込みとなる情報ではなく、アクセスユーザにとって価値あるコンテンツの制作・発信や、役に立つ資料を提供したりすることで、今まではリーチできなかった潜在顧客をWebサイトへ集客したり、集客したユーザのニーズを育成したりすることで問合せの獲得やファン化を行うことを目的とした、以前より注目を集めているマーケティング施策です。

「コンテンツマーケティング」が注目されることとなった背景として、検索エンジン(=Google)のアルゴリズムの進化が挙げられます。検索エンジンで検索した際に、企業側がPRしたい情報だけでなく、ユーザにとって有益な情報を検索結果上位に表示される傾向が強くなっています。例えば「金型」と検索した際に上位表示されるWebサイトはWikipediaや金型の種類などを説明した工業会のWebページです。

金型の検索結果↑こちらは2020年9月にキーワード「金型」で検索した結果です(自然検索結果部分のみ表示)。

「金型」と検索するユーザは、金型業者を探している人だけでなく、金型という言葉の意味を調べている方や、金型の工法について学びたいと考えている人など、様々です。それらの検索意図に対し、検索エンジンはユーザの多くが求めているであろう情報を掲載しているWebサイトを検索結果ページの上位に表示させます。逆を言えば「金型」というキーワードでアクセスを獲得したい場合は、ユーザの検索意図を想定し、それに見合う情報を自社のWebサイトに掲載する、という対策を行えば良いということになります。

製造業のコンテンツマーケティングの成功事例

製造業でコンテンツマーケティングを活用している企業を業態別に紹介していきたいと思います。多くの企業がコンテンツマーケティング専用のWebサイトを構築し、コーポレートサイトとは別サイトとして運用されることが多いです。これらのWebサイトは一般的にはオウンドメディアを呼ばれます。

ちなみにメーカーと受託加工業ではコンテンツマーケティングを行う目的が異なることが多く見受けられます。メーカーはリードの獲得を目的としているのに対し、受託加工業者はオープンイノベーション(技術の用途開発)を目的とすることが多いようです。そんな視点も持ちながらこれから紹介する事例を見ていただければと思います。

完成品メーカーのコンテンツマーケティング事例

株式会社キーエンス

キーエンスのコンテンツマーケティング

製造業のコンテンツマーケティング成功企業と言って、一番はじめに挙げられる企業といえばキーエンスではないでしょうか。キーエンスは、「ココが知りたい!形状測定」や「静電気ドクター」など、数多くのオウンドメディアを運営しており、運用するサイト数およびアップしている記事(技術解説を行っている知識系コンテンツが中心)の本数はダントツで多いです。

部材メーカーのコンテンツマーケティング事例

株式会社村田製作所

村田製作所のコンテンツマーケティング

村田製作所のオウンドメディアでは、自社の製品紹介だけでなく、アプリケーション事例や技術用語の解説など、豊富な知識コンテンツを掲載しています。自社製品と技術の周知に加え、カタログダウンロードによるリードの獲得を達成しているものと見受けられます。

Tech Web(株式会社ローム)

ロームのコンテンツマーケティング

Tech Webは株式会社ロームが運営する「電源設計技術者のための技術情報サイト」です。電源設計に関する技術情報を提供することにより、何か技術的に困ったことがあった際に閲覧するオウンドメディアとして多くの技術者に利用され、多くの信頼を集めていると思われます。

受託加工業者のコンテンツマーケティング事例

エレファンテック株式会社

エレファンテックのコンテンツマーケティング

エレファンテック株式会社はフレキシブル基板の開発、製造を行っている企業です。フレキシブル基板の情報については、初心者から研究者まで、幅広い情報を掲載しており、「フレキシブル基板」では、エレファンテック以上に詳しい情報を掲載している企業はいないと思われます。

そのため「フレキシブル基板」の情報を探している方は必ずエレファンテックの名前を知ることになります。なお、他の企業とは違いコーポレートサイト内にセールスコンテンツも含めすべての情報を掲載しています。

株式会社JMC

JMCのコンテンツマーケティング

株式会社JMCの3Dプリンター出力サービスの特設サイトでは、自社のサービス紹介だけでなく、3Dプリンターの仕組みや活用法を解説するコラム記事を数多く掲載しています。JMCでは、3Dプリンターのオウンドメディアの他にも、鋳造やCTスキャンといった様々なサイトを運営しています。異なるターゲットごとにオウンドメディアを運用する、お手本のような手法を採用しています。

事例から考えるコンテンツマーケティング運用戦略

いくつかの成功事例を見ていただきましたが、ご紹介した各オウンドメディアにアクセスした方は、そのコンテンツの多さに少し気後れしてしまったのではないでしょうか。完成した姿を見てしまうと大き過ぎる山に感じてしまいますが、はじめはどのサイトも小さい規模から始まっています。しっかりと運用戦略を考えてコツコツと規模を大きくしていきましょう。

定期更新できるよう事前準備はしっかりと

製造業をはじめとした技術系企業がコンテンツマーケティングを実施する際に「執筆する記事の専門性が高く定期更新が難しい」ということがネックとなりがちです。

一般消費者向けのWebサイトなど専門性の低い分野であれば記事を社外ライターから調達するという手段が利用できますが、製造業の場合はそう簡単にはいきません。記事を社内で執筆することができれば問題ありませんが、社外のリソースを活用する場合は専門性の高いライターを探しておく必要があります。

技術ノウハウの流出を防ぎながら情報公開していく

事例で挙げた会社もそうですが、かなり踏み込んだ技術情報をコンテンツとして情報発信しています。このような情報は顧客だけでなく、競合他社にも常に見られているであろうことは念頭に置かなければなりません。

IT業界であれば技術革新のスピードが早いことから、技術ノウハウを自社内で抱え込むよりもどんどん情報発信することで顧客獲得に繋げる、といった行動はごく当たり前のことですが、製造業の場合はそうでないことも多いと思います。情報発信の方法や内容に関しては慎重に吟味した上で行う必要がありそうです。

商売に結びつくようなストーリーを描く

良質なコンテンツを増産する体制を作ることができれば、よほどテーマが悪くない限り検索エンジンにからの流入が増え、広告を使わずともたくさんのアクセスを稼ぐことができるようになります。

しかし、アクセスだけ増えて全く問合せに繋がらなかったり、問合せは増えたけど的外れなものばかりでかえって手間が増えてしまった、という事態をよく耳にします。何を成果と見なすのかを見極め、本業の利益につながるようなストーリーをきちんと描くことが大切です。

コンテンツマーケティングも含め、モノカクでは定期的に製造業のWebマーケティング成功事例を情報提供していきますので、今後も参考にしていただければと思います。

コンテンツマーケティング サービス提案書(料金表付き)

モノカク運営企業である「テクノポート株式会社」が提供する、コンテンツマーケティングサービスの提案書のダウンロードはこちらから。コンテンツマーケティングを実施する上で重要となるポイントから具体的な進め方、テクノポートが提供するサービス内容と料金が掲載されています。

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