未来の製造業がここに。京都の製造業HILLTOP株式会社様インタビュー

こんにちは。ものづくり経革広場の永井です。

先日フェイスブックにも投稿をあげましたが、前回の中里スプリングの取材の時と同じく、採用に関する取材ということで、今回は京都にあるHILLTOP(ヒルトップ)株式会社にインタビューさせて頂きました。

インタビューに応じていただいたのは、人事採用担当 矢野 奈々恵様とイマジニアリング事業部 森下 陽介様。

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左:採用担当 矢野 奈々恵様、右:イマジニアリング事業部 森下 陽介様

HILLTOP株式会社は多品種小ロットでアルミの削り出し、中でも難しい加工を得意としている会社です。利益率20%を超えたことがあるIT鉄工所として、テレビに取り上げられたことが何度もある会社なので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

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工場見学もさせていただき、そこは、まるで未来を見ているような気分になりました。

  • どうすればこんな工場ができるのか?
  • どうすれば社員がこんなに輝けるのか?
  • どうすればこんな仕事ができるのか?

インタビューの中で感じたことをお伝えさせて頂きます。

【執筆者紹介】永井 満
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永井 満
テクノポート株式会社 東海地方責任者

大手メーカーで設計開発を経験しているWebマーケター。クライアントの技術を理解した上でWebサイト戦略を立てることを得意としてます。

【経歴】
日本大学大学院航空宇宙工学専攻
ボッシュ株式会社でディーゼルエンジンのポンプ設計を担当

【寄稿実績】
伝え方が悪いと逆効果! Webで自社技術に興味を持ってもらうための戦術
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もっとクリエイティブな仕事を。量産から多品種小ロット、単品へ

初めから多品種小ロットの工場だった訳ではなく、以前は自動車メーカーの下請けとして売り上げの8割は量産の仕事をしていました。しかし、量産のものづくりは単純作業で、他分野への応用も難しく、利益も薄い。そして何より楽しくない。

「楽しくなければ、仕事じゃない!!!」

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「単純作業は機械が行い、人はもっとクリエイティブな仕事をしよう!」

周囲の反対を押し切り、量産ものから多品種小ロットの仕事に切り替えることを決意。今では比率は逆転し、8割が1点ものの加工になりました。しかし、量産に比べ多品種小ロットでは、どうしても生産効率が落ちます。

「だったら、多品種小ロットでも量産並みの生産効率を上げるシステムを作りあげればいい」と様々なシステムを自社内で独自開発して無人化稼働を目指しました。

そのシステムの総称がHILLTOP Systemです!

夢の第一歩「HILLTOP System」

HILLTOP株式会社では、入社3ヵ月の社員でも加工プログラムを組むことが可能です。従来ですと、実際にアルミを削ってみて、職人技とされる刃物の回転数や送り速度などの感覚を養いプログラムに反映していました。

しかし、そのような経験がない新入社員でも簡単にプログラムが出来るように職人技をデータ化し可能にしたもの、それが「HILLTOP System」です。

しかも、それだけではありません。

実際の加工機と同じようなシミュレーションをPC内で忠実に再現し、万全なデータを加工機に送信し、昼夜問わず24時間無人化稼働ができるようになっています。

このシステムによって、多品種小ロットにもかかわらず、まるで量産を行っているような工場風景でした。機械には加工という単純作業を、人はプログラミングというクリエイティブな作業を。

製造業のIT化の未来を見ているようで、驚かされでばかりでした。

HILLTOP Systemはこれからも進化し続けます。3年後、多くの製造業が追いついた時には、もっと先にいると思います。楽しみです!

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↑加工シミュ―レーションのおかげで工場には人がほとんどいません

どこまでいっても、やっぱり人を育てることが大事

HILLTOP株式会社では、自由な発想を大切にしており、自ら率先してのプロジェクトの立ち上げなど新しいことへ挑戦できる文化があります。

教育カリキュラムも充実しており、ものづくりの基礎を学んだ上で新しいことへ挑戦できる環境、力が足りない時の先輩方からのフォロー、それでも足りない場合は社外へセミナーへ学びにいける制度など、社員の成長を大切にする風土です。(ブログ見れば伝わってきます!

「仕事の報酬は仕事!」

仕事が楽しくなければ出てこないセリフです!

やりたい仕事ができる、できるようになれる。

だから輝ける!

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会社に合った人材を採用するために。

社内で人を育てることができるので、中途採用よりも、新卒採用に力を入れていて、数名の枠に対して、毎年約1000人のエントリーがあります。

「自分が何をしたいか、主体性を持った能動的な人材」を見極めてから採用するため、時間を掛けてコミュニケーションを行っています。また、一日社員体験などでHILLTOP文化を知ってもらう活動なども積極的に行っています。

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採用に使うパンフレットも気合入ってます。

会社のすべてを十分に知ってもらって、それでもHILLTOPで働きたいと思ってくれる人の中から採用するので、入社前後のイメージはピッタリ!むしろ、入社前のイメージよりも自由度が高くて驚かれるそうです。

「そうだ、夢の工場を作ろう」

元々一つの町工場だった企業が今では100名ほどの規模まで成長しています。そこには40年以上前から変わらぬ夢がありました。

「夢の工場をつくろう。社員が誇りに思えるような」

「油にまみれるのではなく、白衣を着て働く場所にしてみせる」

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そんなHILLTOPの採用を担当している矢野さんに秘訣をお聞きしました。

  1. 求める人物像を明確にすること
  2. 教育をきちんと行える環境を作ること
  3. 自社の良さだけでなく、ありのままの会社の姿を知ってもらうこと

でした。採用活動については別途記事をジモ採るのほうに後日アップさせて頂きます。

最後に

他にも、Foo’s lab(フーズラボ)でのものづくり企画、社員食堂、社員イベントなど、社員がやりたいことをやれる環境を全員で作っています。それもすべてHILLTOP Systemがあるからこそです。

まさに未来の工場、夢の工場といった印象でした。

今回は取材に応じて頂き誠にありがとうございました!!!

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永井 満
テクノポート株式会社 東海地方責任者

大手メーカーで設計開発を経験しているWebマーケター。クライアントの技術を理解した上でWebサイト戦略を立てることを得意としてます。

【経歴】
日本大学大学院航空宇宙工学専攻
ボッシュ株式会社でディーゼルエンジンのポンプ設計を担当

【寄稿実績】
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