【SOLIZE社 工場見学ツアー開催報告】 最新&高性能3Dプリンタを体感する!

製造業経革広場の徳山です。

去る8月21日(水)に最新&高性能3Dプリンタを兼ね揃える、SOLIZE社・梶ヶ谷工場の見学ツアーを実施いたしました。

今回はその工場見学ツアーの開催報告をさせていただきます。

ハイエンドの3Dプリンタを数十台備えるSOLIZE社の工場は見るものすべてが新鮮でした!

今回工場を案内して下さったSOLIZE Products社の佐藤取締役、ありがとうございました!

 

■3Dプリンタの種類について

3Dプリンタと一言でいっても、十数万円で購入できる家庭用から、1億円近くする業務用まで幅広く存在します。最近では家電量販店でも取り扱うようになりましたね。

製法もインクジェット製法、熱溶解積層法、粉末造形法など、様々です。3Dプリンタの定義は「家庭用であること」らしいのですが、当ブログではその定義はとりあえず無視していきます。

SOLIZE社では、価格帯で言えばミドルエンドからハイエンド機種まで、製法で言えばほぼ全種揃えており、その用途によって3Dプリンタを使い分けているとのこと。

そのほとんどが業務用機種ですので、我々が家電量販店などで目にするような機種と違い、試作だけでなく最終製品を製造できるほどのクオリティの製品が製造可能です。

以下、工場に設置されている様々なタイプの3Dプリンタです。

今までの価値観を超えるレベルのマシンに驚く参加者の皆様。

 

工場には本当に様々なタイプの3Dプリンタが揃っています。

 

工場内にあるマシンのほとんどが3Dシステムズ社(アメリカ)製でした。

 

光造形機は3Dプリンタの領域ではありませんが、似たような性質を持つ関係でいくつか設置されていました。稼働しているところをはじめて見ることができました。

 

 

■3Dプリンタの用途はこんなところまで広がっている

SOLIZE社の3Dプリンタの用途として、一番多いのがメーカー向けの試作品の製造ですが、中には下記のようなユニークな引合いもあるらしく、その用途はまだ未知数といったところです。

 

・風洞試験に利用

重要文化財の建物の補修などを行う際に、現物のミニチュア版を3Dプリンタで製造し、センサーを付けた上で強風を当てることで瓦の強度確認を実施。

 

・超少量生産部品の製造

軍用機やF1カーなど、ごく少量しか生産されない自動車や機械の部品などを金型レスで3Dプリンタで製造。

 

・インテリア、デザイン分野

今までは製造側の限界で表現のできなかったデザインを具現化することが可能に。

 

・医療分野

一人一人違う耳の形に合った補聴器の製造、外科手術練習用の心臓、インプラント治療など。これらを3Dスキャニング技術を併用することで可能に。

 

以上のように、まだまだ利用用途の広がりは始まったばかりのように感じます。これから新しい利用用途がどんどん出てくるのではないでしょうか。

 

 

■50万円もするロケット台が売れる

SOLIZE社の会議室に入ると、すぐに目に飛び込んでくるのがこちらの製品です。

右側のロケットはバンダイ製の市販品で、左側が3Dプリンタで製造したロケット台です。

ロケット台は図面があったわけではなく、写真を見て少しずつ丁寧に3Dのデータに起していったそうです(何時間かかったんでしょうか…)。

ちなみに価格は右側のロケットが数万円なのに対し、左側のロケット台は色付きのもので約50万円するそうです!

しかし、お金持ちのマニアは想像よりも多くいるんですね。既に数十台も売れたそうです。このようなマニア向け市場もターゲットとして大いに考えられそうな分野です。

 

 

■町工場の活用法 ~営業ツールの一つとして活用~

町工場でも3Dプリンタを導入する企業が増えてきましたが、それでけで商売をするというのはまだまだ難しいように思います。

しかし、まだまだ目新しい存在として注目されている3Dプリンタだからこそ、営業ツールの一つとして活用の可能性は十分にあります。

例えば、既存の取引先メーカーに対して、3Dプリンタを導入したことをきっかけにコンタクトを取る。そして、3Dプリンタの特長を活かした提案を行うことで興味を持っていただき、最終的に本業へつながる仕事を獲得する。そんな活用をしている会社もあります。

また、今の時期なら3DプリンタをホームページでPRするだけで、かなりの引合いを獲得できるようです。

もちろん個人からの問い合わせなど、受注に繋がらないものも多いのですが、可能性を広げるといった意味でもチャレンジする意義は大いにあるかと思います。

上記のような営業ツールとしての活用を行う上で、自社に数千万円もするようなハイエンドの3Dプリンタを導入せずとも、社長のポケットマネーで買える(?)数十万円の機種を購入するところからはじめてもいいと思いますし、極論を言えば、導入せずともSOLIZE社のような会社を協力工場としてうまく利用する方法でもいいと思います。

せっかく盛り上がっているこの波への乗り方はいかようにも考えられるのではないでしょうか。色々と考えていきましょう!

工場見学後に参加者で活用法に関しての熱い議論を交わしました!

 

 

■工場見学をご希望の方はご連絡ください!

SOLIZE社ではこのような工場見学会を定期的に実施していただけるそうです。

もしご希望であればツアーを企画しますので、お気軽に下記までご連絡ください!

https://keikakuhiroba-mfi.com/contact

 

 

製造業経革広場 徳山

この記事の執筆者
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徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から一部上場のメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 フェロー、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家

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