日本的ものづくりに必要な「ちょうどいい技術」

このブログは「日本で生産(つく)って海外に販売(うる)!」を目指して、実践と情報を発信することで、国内で「ものづくり」を続ける中小製造業の海外販路開拓を応援します!

こんにちは、株式会社日本クロス圧延の岡です。

弊社は小規模な金属材料のメーカーです。国内での流通量が減少する中、海外に材料を販売しようと考え、自社製品を「R&D Materials」というブランディングをし、そして実際に海外にプロモーションしながら経験したノウハウやダメだったことなどを発信していきます。

 

「日本的ものづくりのIdentity」

私の最近の趣味は、油臭い工業系の「ものづくり」企業の海外販路開拓のお手伝いをさせて頂くことなのですが、なにが面白いかというと「海外のマーケット」に飛び出していこうという、筋肉質な開拓者魂とエネルギーにあふれた経営者との出会いや、彼らと飲んで語らうことが最高に楽しいのです。

語らいの夜会も深夜になると怪しい方向へ話が進むこともあります。イデオロギーとかアイデンティティなどといった、人間の根幹の部分の主張などが始まって、「根」というものの意識が薄い私は「へー」と羨ましくも感心してしまいます。

ある社長は、私に海外販路開拓の相談をしておきながら、飲むと本音が出ちゃって「おまえのような奴らが海外にばっかり目を向けていては、日本のものづくりがダメになってしまうだろ」とお叱りのお言葉頂いたりと...(笑)

でも気持ちはよくわかるのです。電子部品向けのプレス部品メーカーって台湾や韓国など海外勢がじわじわとプレッシャーをかけてきてる現状があります。自分たちも海外に販路をもとめていかないと、減少する仕事を下剋上のように同業者と奪い合うことになりかねない現実です。

日本が海外勢の草刈り場になってしまうのではないか?という想像上の見えない未来に心配になるのは、アイデンティティからだけではなくても、なんだかやりきれなくてイライラしてしまうのかもしれません。

と、いうわけでこのブログのタイトルも、少しでも日本の為になればという思いを込めて「日本で生産(つく)って海外で売る!海外販路開拓実践ブログ」と変わりました。

海外展開と一言で言っても、生産拠点までも人件費の安い海外に移してしまっては、それこそ「日本」の為にはマイナスで、日本で生産して海外に販路を開拓するのが日本の製造業には必要だと確信しています。

 

日本的ものづくりってなに?

よく「日本的ものづくり」って言葉を耳にしますが、「定義が理解ができないので、やめればいいのに」アルコールの力でこんな感じで聞き返してしまいます。

日本的ものづくりって

「高価で良いものを製造することですか?」

「安価で大量に製造するものですか?」

それとも「良いものを安価で製造することですか?」

もしかして品質の問題ではなくて「時間ですか?」「他社が納期が10日のところを5日で作れば日本的ものづくりですか?」

などと火に油を注ぎつつ、楽しい夜話の夜は更けていくのですが、私の考える「ものづくり」とは、いつも言っていますが「ちょうどいい」ことが大切だと思います。

ユーザーが求める以上の品質もいらないし、無理に安くする必要もなくて、納期をふくめて、高次元に「ちょうどいい」ことが大切で、「日本」の目指す方向だと考えています。

ユーザーの求める以上の品質で製造して「うちは技術があるから」って自慢気な会社って結構多いですがどう思いますか?それをプロモーションにしているケースもあるので一概にダメとは言いませんが、これって日本的ものづくりなのだろうか?と考えてしまいます。

お客様の図面を正確に理解して製造すれば、機能面で必要ない部分はたとえ黒皮でも傷があってもOKなのでは?少なくとも海外の製造業はそんな感じです、昔の大工が「見えないところを作りこむのが「粋」なんだよ!」という話は好きなのですが...

話が妙な方向にずれてきましたが、ものづくりには「ちょうどいい」というバランスが必要で、そのちょうどいい部分を見つけるためには「ちょうどよさ」を見極める目を磨くことが大切です。技術を深く理解していないとオーバースペックで利益率が低下するなど「ちょうどいい」ものづくりはできないのです。

さいごに

と、いうことで、今回からシーズン2に突入です。あいかわらず内容に偏見が多いですが、温かい目で見守っていただけると助かります。

 

日本で作って海外に売るにはどうしたらよいだろうか?一緒に考えていきましょう。

日本の中小製造業の海外販路開拓に少しでもお役に立てればと思いブログを書かせていただきました。何かの参考になれば幸いです。

次回もまたよろしくお願いいたします。

この記事の執筆者
岡 正俊

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