【具体例有り】ホームページや展示会で製造業がキャッチコピーを考える際のポイントは??
テクノポートの井上です。今回は製造業でキャッチコピーを作る際に参考になる考え方についてご紹介出来ればと思います。現在様々な場所で、自社のことをもっと知ってもらうためにキャッチコピーを考える機会が増えているのではないでしょうか。
キャッチコピー作成する際の一般的な考えるポイントは以下の通りです。
- ターゲットを明示する
- 恐怖や不安をあおる
- 数字がもつ具体性を活用する
- メリットではなくベネフィットを示す
- 好奇心をあおる
- ノウハウを伝える
上記の内容はどちらかというと一般消費者向けのポイントに見受けられます。感情に訴えかける部分が多いためです。法人向けの訴求の場合は、その時の感情で購入する消耗品のようなケースは少なく、しっかり比較検討の上で購入に至るケースがほとんどのため、論理的な訴求の方があっているのではないでしょうか。その考え方の順序をご紹介します。
この記事の目次
こんな会議ありませんか?
「今回、ホームページをリニューアルすることになったから、TOPページに使うキャッチコピーをみんなで考えよう。」という議題が会議にあがったとします。皆さん思いついたフレーズを挙げていって、その中から一番良いものを多数決で選びます。出てきた中で一番評判の良かったものを選ぶのだから問題はないのかも知れません。
ただ、その前に気を付ける点があります。それは伝えたい内容について事前に共有出来ていたかどうかです。
事前に共有すべきポイントは?
- 誰に(一番に見てもらいたいターゲットは)
- 何をどのように提供するのか(自社の提供価値は何か)
- それがどのような便益をもたらすのか
いきなり、キャッチコピーについて意見を出すのではなく、前提をしっかり話しあい、共有することが重要です。ここがはっきり決まっていないと、あれもこれもと伝えようとして、ぼやけてしまい、極端な話「なんでも出来ます」というような抽象的なキャッチコピーになってしまいます。
製造業での具体的な見せ方のポイント
前提の部分を共有したら、具体的なフレーズを考えていきます。
①ターゲットを明示する
どのような問題や課題を持つ顧客に対して見てもらいたいかを、具体的に設定して明示します。そうすることでターゲットがキャッチコピーを見た時に、自分宛てのメッセージと捉えやすくなり、ホームページにおいては、より深く情報を閲覧しようとするため離脱率が下がります。
(例)
- 自動機の設計でお困りの方へ
- どこに頼んで良いかわからない工作機械の修理業者をお探しの方へ
②数字が持つ具体性を活用する
短納期、高精度、低コスト等ではどこの業者でも使っているフレーズのため、ターゲットに刺さらない可能性が高いです。具体的にターゲットに対して押したい部分の数字を明記することがポイントです。
(例)
- 精度0.01mmを実現
- 不良率0.001%
③メリットではなくベネフィットを示す
顧客により深く訴求するために、製品特徴や機能性等の強み(メリット)ではなく、顧客が利用する際の恩恵(ベネフィット)を提示します。
(例)
【メリット】
- 一貫生産での加工対応
【ベネフィット】
- 工程短縮による短納期化を実現
- 低コスト化を実現
- 面倒な複数社への発注業務の1本化
※特徴は一つでも訴求すべきベネフィットは相手により変わります。
何を押したいのか??
フレーズがある程度出そろったら、それをもとにキャッチコピーと補足文を作成します。一つ、試作切削加工屋さんでいくつか例を挙げてみます。
試作開発のベストパートナー
±1ミクロン精度の金属の微細切削加工により
微細・小型・軽量化に寄与する製品開発支援を行います。
微細切削 ±1ミクロン精度
試作開発部門の方へ
微細・小型・軽量化に寄与する製品開発支援を行います。
微細・小型・軽量化
試作開発部門の方へ
±1ミクロン精度の金属の微細切削加工品の提供が可能です。
上記のように、内容は一緒でも順序によって伝わり方は変わってきます。どれが良いかは相手に何を残したいか、何が刺さりやすいかによって変わってきます。ちなみに前提としてキャッチフレーズは短く体言止めが一般的です。
まとめ
キャッチコピーに正解はありません。本当はもっと興味を持って頂けそうな「心に刺さるフレーズ」の作り方など紹介出来れば良いのですが、それはまた違うテクニックが必要になり、私も勉強中です。まずは基本的な抑えるべきポイントをご紹介しました。少しでも参考になれば幸いです。