新製品を生む「現実的ブレインストーミング」

このブログは中小製造業の海外進出のノウハウを発信します。

こんにちは、株式会社日本クロス圧延の岡です。

弊社は小規模な金属材料のメーカーです。国内での流通量が減少する中、海外に販路開拓をするぞ!と考え、自社製品を「R&D Materials」というブランディングをし、そして実際に海外にプロモーションしながら経験したノウハウやダメだったことなどを発信していきます。

私も経験しましたが「海外に進出するぞ!」と気合を入れて、英語版サイトの製作や海外の展示会などに出展しても、思ったより成果が上がらなくてガッカリした経験なんてありませんか?

だけど製品の魅力や強みを分析して、効果的に発信することで反響が全く違うものになります。

そのためのブランディングやプロモーションなど戦略を考え実践しましょう!

 

今回のテーマも連携による「ものづくり」による製品化のお話です。

誰もが考えつくような安易な製品をつくってもアタリマエですが売れません、記録的ヒットを飛ばすためにはイノベーションを巻き起こすような革新的な製品をデザインする必要がありますが、それが思いつかないから難しいのです。

しかしロジカルに思考することで、答えが見つかるかもしれませんね、なんて話をしましたが今回も続きになります。

今回も偏見がかなり多いので、例によって各自で脳内補完をお願いします(笑)

空想と現実の領域の大きな壁

前回に方向性がぶれないように基本的な製品の骨格を決めましたね、弊社の場合はこんな感じでした。

1.短時間で製品化するためシンプルな製品

2.量産は考えず、競争は避けつつ利益を確保するニッチな製品

3.売りやすく代理店の利益を確保する価格設定:生産原価15万円、売価30-50万円

4.納期2周間程度を想定すると3-4社で生産

5.販路開拓助成金を見据えてちょっとハイテク系(笑)

この骨格からブレないように、空想したり妄想しながら考えたことを、スケッチブックやホワイトボードに絵や文字として書きだしていくのが効果的だと、どこかのセミナーで教えられた気がしますが、とにかく実際にやってみると、これがなかなか難しくて頭の中に思い描いていることを書き出そうとしても、なぜか手が止まってしまうのです。

これが空想と現実の領域の大きな壁だと思います。空想は自由ですが、現実は自由が制限されるのです。だから頭の中を紙に書き出すためには、空想を現実に「変換」しなくてはなりません、よって非現実的な部分は「変換」できないため、手が止まってしまうのだと思います。だからといって手が止まったままでは前に進めませんね、困ったものです。

製品のヒントになるキーワードから考えます

手が止まったままではしょうがないので、スケッチブックに、「市場」「販売先」「販路」「業界」「革新性」「メリット」など思いつくままを、キーワードとして書きまくってください、そのうち「ぼやー」っとなんとなく形が見えてくるかもしれません。

最近のブレインストーミングの傾向では現実的、非現実的だろうと限定せずに、空想でも妄想でもいいので考えを膨らませていく手法が流行ってますが、膨らみすぎて脱線するケースが多いと前から思っていました。私の考えるブレストは、あまり膨らませずにあくまでも現実路線で考え、製品の骨格から絶対に脱線しません。だから空想(妄想)はしますが、すぐに現実に引きもどしていくことで製品実現をすすめていきます。

※もちろん考え方は人それぞれなので、これが答えだ!とは言う気はありません(笑)

製品化への大きな壁

空想を現実に変換する作業をしていると、空想ではスルーしていた問題が現実問題の壁としてぶち当たります。それは「ものづくり」するなら避けて通ることのできない、金型や製造治具の製作費...

これがなかなか厄介な問題で、簡単な金型でも100万円なんて当たり前で、これを作っちゃったらもう後には引けず、失敗は許されないのです...重いよね

そうなると金型を必要としない製品を考え始めることになるのですが、だんだん製品がショボくなっていく傾向になっていきます。これもまた問題ですね

私の場合、最初から金型を必要としない製品を考えました。

当然、金型を使用できないので量産性は期待できず、どうしても製品の生産コストは高くなります。だから必然的に少量で単価が高い製品化ということになります。骨格からぶれていませんね

私の最初の製品は「箱」を作ることにしました。箱といってもただの箱ではなく「魔法の箱」です(笑)これについては次回に説明しますね

さいごに

素晴らしい製品を考えて、これなら絶対売れちゃうよ!って熱くなっても、実際にものをつくるためには様々な問題を乗り越えなくてはならないのです。

特に金型などコストが大きい為、確実な販売計画がない限りやめたほうが無難です。

しかし金型を避けるなど、妥協を重ねるうちに最初に思い描いたものとは別物になってしまって本末転倒ですね。だったら最初から「金型を使わない」も条件に入れて製品を考えていくのも大切です。

思い描いたものが自由に形にできれば最高なのですが、なかなか現実は甘くないですね。

また次回も同じテーマで考えていきましょう!

 

日本の中小製造業の海外販路開拓に少しでもお役に立てればと思いブログを書かせていただきました。何かの参考になれば幸いです。

次回もまたよろしくお願いいたします。

この記事の執筆者
岡 正俊

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