オープンイノベーションプラットフォーム「TEC-PAL(テクパル)」

ものづくり経革広場の徳山です。前回のブログで少し触れましたが、今年の夏〜秋頃にリリース予定の新サービスを考えています。

サービス名は「TEC-PAL(テクパル)」です。メーカーの技術課題とそれを解決する可能性のある中小企業のニッチ技術を独自のアルゴリズムによりWEB上でマッチングする、という技術イノベーションの創出を目的としたオープンイノベーションプラットフォームです。弊社は創業以来、WEBマーケティング事業を主として行って参りましたので、このような本格的なWEBサービスは初めての試みとなります。

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(↑サービスロゴも作成済み、現在商標登録申請中です)

中小企業のニッチ技術の用途開発はとても難しい

弊社は創業してから中小製造業者のWEBマーケティング支援を600社以上行ってきましたが、そのほとんどが規格化された製品ではなく、使う人によって用途が異なるような技術のPRでした。中には用途がよく分からないけど、面白い技術ができたのでPRしたいといったものも少なくなく、今まではそれをWEBマーケティングという手段で「用途開発」してきましたが、もっとこれを効率よくやる方法はないかと常々考えておりました。

一方でオープンイノベーションに取組み始めるメーカーが増え、今までは試作や量産といった仕事をネットで外注先を探し発注するといったケースが主流だったのが、基礎研究や製品開発のパートナー探しをネットを使い行うケースが増えてきました。これは中小企業にとって大きなチャンスだといえます。チャンスというのは大手メーカーと取引する機会が増える、ということだけでなく、埋もれた技術が用途開発され活かされる機会が増えるという意味も含めてです。

しかし、メーカーの技術者が抱える「技術課題」と中小製造業が持つ「ニッチ技術」がマッチングする可能性は極めて低いのが実情です。なぜでしょうか?我々はいくつかの仮説を考え出しました。

仮説① 情報が一方通行で相手に伝わりづらい

情報探索者が公開する「技術公募情報」や、情報提供者が公開する「技術情報」は基本的には相手が情報を探しに来ないと相手に伝わりません。つまり、情報を探す人の検索技術が高ければマッチングしやすいし、低ければマッチングしにくい、という状況です。そんなの「当たり前」と思われるかも知れませんが、これを「当たり前」だからと受け流していてはマッチングを増やすことができません。TEC-PALでは技術探索者のニーズと技術提供者のシーズを情報登録させ、両者を独自のシステムでマッチングさせることで出会う確率を最大限に高めます。

仮説② 両者の使う「言語」の違い

ここで言っている「言語」とは日本語とか英語とかの話ではなく、同じ技術をどのレイヤーで語るかどうかの話です。技術探索者は解決したい技術課題を「用途」で語りがちですが、技術提供者は自身の技術が解決できる「技術の特徴」や「機能」で語りがちです。会話の出発点が両者は真逆なのでこのような現象が起るのですが、これではお互いの情報は一向にマッチングすることがありません。この両者の会話を噛み合わせる為にはお互いが「技術課題」という土俵で語り合うことが何より大事だと考えます。

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上記のように両者の使う言語に相違があると情報が伝わるまでの距離が遠すぎてマッチングする可能性が極めて低くなります。よって、両者が同じ言語で語り合えるように情報を引き出す為のインタフェースが必須と考えています。

仮説③ 同じ業界(分野)での情報交換が主流

オープンイノベーションの醍醐味は「思いもよらぬ業界(分野)で使われていた技術を転用することで大きなインパクトを与えること」ではないでしょうか。フィリップスがオープンイノベーションによって開発した「ノンフライヤー」に関しても、家電業界で使われているわけではない異業種の技術を取り入れることにより画期的な製品となりました。

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ところが技術の情報交換は同じ業界(分野)で交わされることが多いため、なかなか画期的な技術イノベーションには繋がりません。技術イノベーションを起すことを前提に考えた場合、業界や分野という軸ではなく、技術課題という軸で業界横断的に技術情報を募る必要があるのではないかと考えています。

仮説を見越してシステム開発される「TEC-PAL」

これらの仮説をクリアするためのシステムを構築するにはどうしたら良いか、を我々は真剣に考え、考え、考え続けました(今でも更に良くするために考え続けています)。システムのアルゴリズムに関してはノウハウとなるため明かすことは出来ませんが、上記の仮説を検証するための機能はすべて搭載する予定です。

とはいえ、システムの開発は始まったばかりで、クローズドでお試しいただける「α(アルファ)版」が7月末にリリース、正式に一般公開できるのは秋頃になりそうです。

私としては「中小企業のためのサービスとしたい」との想いから技術提供者(主に中小製造業)から利用料金をいただく考えは全くありません。しかし、すぐに技術探索者(メーカー側)からお金を取れるサービスになるかというと、そうも簡単にいかないとも思うので、しばらくは広告収入で運用コストを賄いつつ、このプラットフォームが日本一の技術交流サイトになるまで辛抱強く運営したいと思います。

開発の進捗や会議の内容など定期的にこちらで情報公開していきたいと思います。公開はまだまだ先ですが、応援して下さる方、コラボレーションを希望される方はお気軽に連絡いただければ嬉しく思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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