企業間連携の2パターン「I型」と「O型」とは?

このブログは中小製造業の海外進出のノウハウを発信します。

こんにちは、株式会社日本クロス圧延の岡です。

弊社は小規模な金属材料のメーカーです。国内での流通量が減少する中、海外に販路開拓をするぞ!と考え、自社製品を「R&D Materials」というブランディングをし、そして実際に海外にプロモーションしながら経験したノウハウやダメだったことなどを発信していきます。

私も経験しましたが「海外に進出するぞ!」と気合を入れて、英語版サイトの製作や海外の展示会などに出展しても、思ったより成果が上がらなくてガッカリした経験なんてありませんか?

だけど製品の魅力や強みを分析して、効果的に発信することで反響が全く違うものになります。

そのためのブランディングやプロモーションなど戦略を考え実践しましょう!

前回に続いて、ものづくり企業が連携して海外販路開拓に取り組む活動のお話です。今回も自分の経験上からのお話なので、「えー、それおかしいよ!」的な記述も多いと思いますが、各自の脳内で補完してください(笑)

I型及びO型の連携の形とは

前回のコラムでサラーっと書きましたが、企業間連携の形って大きく、I型とO型の2つの連携の形があると考えています。

①I型(独裁政権型)

元締めの企業が製品デザインから受注まで、すべてを受け持つ形になります。従来の外注加工と類似していて横のつながりが無く、Iの字のように参加企業が1列につながります。例えるならシンガポールのような1党独裁主義になります。1党独裁なので反対されることもなく、プロジェクトを速い速度で進めるには最適ですが、横のつながりが無いので、みんなの知恵を出し合ってプロダクトを考えるのは難しい。いわゆる独裁政権型ということになります。

②O型(民主主義型)

参加企業が集まって、みんなでプロダクトを考えていくスタイルがO型です。このスタイルが好きな人はたくさんいるけど、自分はなんだか商工会の町おこし会議のようで、あまり好きではありません。※超偏見です(笑)多くのアイディアを得られるメリットがある反面、意見の集約に時間がかかる傾向があります。また製造する製品によっては会議に参加した会社すべてが恩恵に与れるわけではないという問題があります。

どちらを採用すればいいでしょうか?

利をもってしか人は動かず

戦国武将の真田幸隆は他国を調略するときに、情ではなく利を持ってしか人は動かずと考え相手を説得したことで、調略の名手として名を残しました。

プロダクト会議や会合で時間を割いてもらうからには、企業間連携も「利」を追求しないといつしか参加者の心が離れていくことになるのは明らかです。だから企業連携の開始から利益を得るまでの期間にはあまり余裕がないのです。高尚な心をもって「利益なんて考えなくてもOK!集まることに意義がある」って参加者がたくさんいれば良いのだけど、僕たち現代人はなかなか忙しいのが玉に瑕なのです(笑)

最短での製品化を求めてI型を選択しました。

I型

I型の連携しか選択肢がありませんでした。弊社が製品のデザインをして、連携参加企業で製造するという形なので、いわゆる外注加工と同じで「どこが連携だよ!」と突っこまれそうですが、外注加工と比べてメリットや発展している部分があります。

①補助金や助成金がもらえる!

外注加工では助成金がもらえませんが、これでも企業連形体なので販路開拓助成金や元気づくり補助金など申請し放題です!そして連形体での申請は企業が単独で申請するより、倍率が低く採択率がかなり高くなります。だから製品開発や製品のプロモーションに補助金が使えるため販促活動が有利になります。

②連携ブランドの共有で販売促進が有利に!

以前にもお話しましたが、連携ブランドを立ち上げそのブランドに各社の製品を乗っけた形で、サイト製作や広告などで製品をプロモーションすることで広告費用を各社で分担できるため、1社では高額で手が出せない様なサービスも受けることができる。

③とにかく利益までの期間が早い

例えばO型の連形態で、月2回の会議をすると仮定して、製品化までに会議を何回する必要があるだろうか?そう考えて逆算するとアイディア出しからそれらを集約して製品化まで半年や1年はあっという間に過ぎてしまうとおもいますが、I型は製品化までの期間が短いため、比較的短時間で収益につながる。

④O型と違い、連携に参加したすべての会社が恩恵に与ることができる。

I型自体が従来の外注加工の発展形なので、当然参加企業は工程の中で何かしらの」加工」に携わることになるので、大なり小なり利益につながる。

ということでI型から進めていこうと決定しました!

次回につづきます!

さいごに

今回は企業間連携のスタイルをI型O型と区別してお話しましたが、I型びいきな内容になってしまいましたが、O型を否定しているわけではありません。O型の連携でのアイデア出しは結構重要で特にBtoCでは思わぬ製品化につながった実例もたくさんあります。

次回は弊社の実際の取り組みをお話しできればと考えています。よろしくお願いいたします。

 

日本の中小製造業の海外販路開拓に少しでもお役に立てればと思いブログを書かせていただきました。何かの参考になれば幸いです。

次回もまたよろしくお願いいたします。

この記事の執筆者
岡 正俊

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